「聖剣伝説2 another」 第22話 〜小さな約束〜 <カッカラ王国> 姫花「リッキー!」 タタタッ 姫花「も、もう行っちゃうの!?」 リッキー「ああ…今回は役に立てず すまなかった」 姫花「そんなこと無いよ!来てくれて 嬉しかった!    でも、酷いケガだったんだし もう少し休んでいった方が…    まだちゃんと手当もしてないし!」 リッキー「私の身体は 普通の人間とは違うのだ。      時間さえ経てば 治療をせずとも回復する」 姫花「え!?そ、そうなの!?」 リッキー「ああ…戦うためだけにあるのだ。私の身体は」 姫花「そ、そうだとしても…    ほらみんな、リッキーにちゃんとお礼言いたいだろうし、    あたしもいろいろ話して もっとリッキーのこと知りたいし!」 リッキー「…今回の戦いで 私は自分の未熟さを痛感した。      まだまだ鍛錬せねばならない」 バサアアッ 姫花「リッキー!!    ……ま、また…会えるよね?」 リッキー「……ああ」 バサッ バサッ 姫花「戦うためだけだなんて…そんなの悲しいよ、リッキー…」 <カッカラ王国・宿屋> ギイッ 遊太「おっ 姫花ちゃん」 ランディ「…リッキー、行っちゃったの?」 姫花「うん…もっと話したいことあったのに…」 ポポイ「あいつって わけわかんねーよな〜     すげーつえーし、味方なのは頼もしいんだけどさ。     何かこう、うさん臭いっつーの?」 姫花「そ、そんなことないよ!    いい人だよ、リッキーは!!」 バンッ! ポポイ「……!あ、わ、わりィ!     いやオイラも 悪い奴だとは言ってないぜ?」 程塚「…姫花ちゃん。怪我人の部屋だぜ」 姫花「あっ…ご、ごめん…」 ランディ「あはは、病人扱いなんかしなくていいよ。      元々 大した怪我じゃなかったし、      先生もあと2〜3日くらい 安静にしてれば      もう普通にしていいって言ってたし」 姫花「そっか、良かった…    あそういえば、名由多君は?」 プリム「あの子なら リリィちゃんのとこに行ってるわよ」 遊太「いや〜本当ラブラブっすよね あの二人!」 程塚「いや ただのお見舞いだろ…    とは、まあ…言い切れねえけどさ」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <「夜明けの三日月亭」2F・リリィの部屋> リリィ「も〜 ぜんぜんへっちゃら!     もう足もぜんぜん痛くないし、     いますぐでも あそびに行きたいくらいだよ〜!」 名由多「ほ、ホントに?」 リリィ「ほんとほんとー!     しんぱいかけちゃって ゴメンねヨーくん?」 名由多「そ、そんな…僕の方こそゴメン。     リリィちゃんのこと 守ってあげられなくって…」 リリィ「……」 うつむく名由多を見て、リリィは少し真面目な表情になる。 リリィ「ヨーくん、あのね。     リリィ、ヨーくんがリリィのために     怒ってくれたの うれしかったよ?     あ、リリィのこと だいじに思ってくれてるんだーって」 名由多「…!!あ、えと、そそそれは…///」 リリィ「でもね。あのときのヨーくん…ちょっと こわかった」 名由多「(ドキッ)…えっ!?」 リリィ「すっごくこわいかおして こわい目でにらんでて…     いつもとぜんぜん ちがうかおしてたの」 名由多「……」 リリィ「リリィね。リリィと あそんでくれてるときの、     笑ってるヨーくんの方が…     やさしいかおしてるヨーくんが すきだよ?」 思いがけない発言に 言葉を失いつつも、 名由多はリリィの目を 真っ直ぐに見つめ直す。 名由多「……怖がらせてゴメンね。もうあんなことしないよ」 リリィ「…ほんと?やくそく??」 名由多「うん、約束。ゼッタイ」 リリィ「えへへっ、よかったぁー♪」 ぱああっと、向日葵のような笑顔に戻るリリィ。 リリィ「ねえねえ!リリィね、おじさんと     ランディおにーちゃんが お話してるのきいたんだけど…     ヨーくんって ちがうせかいから来たってホント!?」 名由多「あ…うん。そうだよ」 リリィ「わぁ〜 ヨーくんって ほんとすっごいよね!     ねえねえ こんどヨーくんのせかいのお話、いっぱいきかせて!」 名由多「うん、いつでもいいよ」 リリィ「それからそれからね〜 またいっぱいあそぼっ!     かけっこしたり、『やきゅーぶ』したりしよ!」 名由多「うん。     リリィちゃんが元気になったら いっぱい遊ぼう?     僕また絶対、リリィちゃん達の国に来るから」 リリィ「ゼッタイだよぉ〜これも やくそくねっ!」 キュッ 名由多・リリィ「ゆーびきーりげーんまーん、うーそついたーら         はーりせーんぼーん のーますっ!!」                      (続く)