「聖剣伝説2 another」 第18話 〜帝国の罠〜 <タスマニカ共和国・城門前> キュイキュイーン! ちなみ「ありがと、フラミーちゃん!」 姫花(ひめか)「うわっ、おっきなお城…!」 プリム「タスマニカは、街も城の中にあるからね。     帝国と敵対してるから、防衛の為なんだって」 名由多(なゆた)「ねえねえ、早く入ろ入ろ!」 程塚(ほどづか)「あ、おい名由多君!」 ガシャン! 名由多「わ、わわっ!?」 衛兵A「止まれ!何者だ!?」 ランディ「突然すみません。ジェマに会いに来たランディです。      聖剣の持ち主と言えば わかると思いますが」 衛兵A「聖剣の…!?」 ササッ 衛兵B「大変失礼致しました。     今、帝国のスパイが潜入したとの報せが届き、     厳戒体制を敷いていたものですから」 ランディ「帝国のスパイ!?」 遊太「おだやかじゃねえなあ…ゲームと同じ展開なら    スパイが王様に化けてるはずだけど」 ポポイ「遊太っ!そういうことは先に言えよ!     さっそく 王様んとこ行ってみよーぜ!」 <城内・王の間> ポポイ「ようジェマのおっちゃん、久しぶり!」 ジェマ「ランディ、みんなも!たくましくなったな、見違えたぞ」 名由多「うわ〜ホントにジェマだ、ゲームとおんなじ!」 ジェマ「ん、その子達は?」 ランディ「説明は後でするよ。それよりジェマ、      帝国のスパイが入り込んだって?」 ジェマ「ああ今、総出で探しているんだが」 ビシィッ 遊太「王さまぁ〜!ズバリあなたがスパイ……    じゃ、ないみたいっすね」 王「な、なんじゃ突然!?」 姫花「ちょちょっと 失礼にも程があるでしょ!?」 遊太「いやゲームだとさ、    王様に影がない!ってことで 正体バレるんだけど」 ポポイ「…影あるぞ。思いっきり」 和樹「うーん、やっぱりここもゲーム通りには行かないか…」 ちなみ「王様、ジェマさん!私達も手伝います、スパイ探し!」 王「そ、それは助かるが…危険じゃぞ?」 程塚「大丈夫です。危険な目には慣れてますから」 ランディ「ただ 城内は広いからね…3チームに分かれようか」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <城内・廊下> 和樹「とは言ったものの、簡単には見つかりそうもないですね」 ランディ「まあ、怪しい所を      しらみ潰しに探していくしかないだろうね…」 姫花「ねえさっきこの国、帝国と敵対してるって…」 ランディ「ああ…プリムの祖国・パンドーラと同盟を組んで      帝国の侵略に抵抗してるんだ」 和樹「昔、帝国と戦争したこともあったんですよね」 姫花「…何か改めて、すごい戦いしてるんだね ランディ達…」 ランディ「まあ、誰かが帝国を止めなきゃならないからね」 和樹「ランディさんって 確か16歳ですよね!?    その齢で 世界を背負って戦うなんて ホント尊敬です!」 姫花「うちの従姉妹のお姉ちゃんも16歳だけど    毎日遊んでばっかだよ?」 ランディ「あはは、この世界だと16歳は      結構大人扱いされるからねw」 と、姫花達にゆっくり ゆっくり…数人の兵士が近づいてくる。 姫花「?どうかしたんですか?何か手がかりでも…」 ランディ「!!姫花ちゃん、あぶないっ!!」 グイッ ビュオッ! 突然剣を抜き、斬りかかってきた兵士達から ランディが素早く姫花を引き離す! 姫花「ら、ランディ…ありがと…!」 和樹「な、何するんですか!いきな……り…」 ユラ ユラ… 和樹「この人たち…!?」 ランディ「ああ、目が普通じゃない…おそらく操られてる」 キィン! ヒュッ ガキン! 四方から襲いかかる兵士達を 傷つけないように、3人は武器で必死にいなす。 姫花「ランディ、これってやっぱり…」 ランディ「帝国の仕業だろうね。      魔法か何かで操っている、そいつが多分スパイだ!」 和樹「内部分裂を計るなんて、卑怯だなあ!?」 ランディ「和樹君、姫花ちゃん!      ここは僕が食い止める、この状況だと王様が危ない!      様子を見てきてくれ!」 和樹「わ、わかりました!」 タタタタッ <城内・王の間> 2人がたどり着くと、虚ろな目をした大勢の兵士から ジェマが必死に王を守っていた。 和樹「!!すごい数、50人はいる…!」 姫花「ジェマさん!」 ジェマ「君達か…すまんが、手を貸してくれ!     私一人では とても防ぎきれん!」 王「どうしたというんじゃお前たち…しっかりせんか!」 キンッ キンッ 姫花「で、でも傷つけないように この人数と戦うなんて…    この状況じゃ波動弾もエンジェルバスタールも撃てないし…    って、和樹!?」 ズザアアアッ 和樹は 兵士達の足元を、野球部仕込みのスライディングで抜け 王の眼前で構えを取る。 姫花「あ、アンタどうするつもり!?」 和樹「はっ!」 ビシッ!バタン ドスッ!ドタン ジェマ「……!!」 和樹「やっ!とあっ!」 ビシッ!バタッ ガスッ!ドサッ ジェマ(後頭部、みぞおち…急所を避けつつ、     的確な箇所に打撃を入れて 戦闘不能にしている…!     この少年、何者だ…!?) 姫花(和樹すごい、いつの間にこんな…    プリムとの 特訓の成果出てるんだ…!) ドスッ!バタッ ズバアッ! 和樹「…うっ!!」 姫花「!!やだっ、和樹!?」 しかし流石に 数十人をさばききるのは荷が重いようで、 徐々に兵士達の剣が 和樹の身体をかすめ始める。 ビシッ!ドサッ ザクッ!ポタッ… 和樹「く、くそっ…!」 姫花「和樹ムチャだよ!死んじゃうよ!!」 和樹「…!大丈夫姫花ちゃん、心配しないで…!」 姫花「か、和樹…」 ダダダダッ ちなみ「か、カズくん!?」 程塚「あのバカ、一人でカッコつけやがって…!」 姫花「ちーちゃん、程塚!どうしてここに…」 ちなみ「私達も兵士さんに襲われてたんだけど、     姫ちゃん達の声が聞こえたから、何とか逃げて来たの!」 程塚「くそっ、どうすりゃいいんだこの状況!?」 姫花「ランディは 誰か操ってる奴がいるって言ってたけど…    そいつがどこにいるのか全然わかんないよ…!    ううっ、ぐすっ…!」 ちなみ「姫ちゃん泣かないで!みんなを呼んでくればきっと…」 程塚「……操って…」 兵士達の動きを、じっと観察する程塚。 ちなみ「…程塚君?」 程塚「…ジェマさん!この城で一番日当たりのいい場所は!?」 ジェマ「!?ど、どうした突然!?     そりゃ 屋根の上とかになるんだろうが…」 程塚「屋根か…ちなみちゃん、一緒に来てくれ!」 ちなみ「え、えっ!?いいけど、どうするの?」 程塚「俺のカンが正しけりゃ 操ってる犯人を    叩きのめせるかもしれねえ!」 姫花「!?ほ、程塚それホント!?」 程塚「多分な。姫花ちゃんは ランディ達を連れてきて    和樹の加勢にあたってくれ!」 姫花「う…うん、わかった!」 程塚「おいカズ!こんなとこで死ぬんじゃねえぞ!!」 和樹「わ、わかってるって…お前もな!」 タタタタッ                      (続く)