「聖剣伝説2 another」 第17話 〜6人目の仲間〜 <月の神殿・深部> ポポイ「おりゃあ!」 ガスッ セイレーングレル「キュルル…」 和樹「何か、さっきからずっと同じ景色だね」 ポポイ「おい遊太〜ホントにクリスタルオーブはあんだろうな!?」 遊太「なっ、俺の攻略情報を疑うんすか!?」 ちなみ「ポ、ポポイちゃん、こんなに広いんだし     簡単には見つからないんだよ…     次の種子も ここにあるはずなんだよね?     頑張ってもう少し探してみよ?ね?」 ポポイ「まあ、お嬢ちゃんがそう言うなら 頑張るけどさ…     こう真っ暗だと テンションも上がんないよな〜     なあねーちゃん、この前精霊と契約した、     光の魔法でパーッと明るくしようぜ!」 プリム「あのねえ…     そんなことに魔力を無駄使いしてどーすんの!」 姫花「その前に…何で辺り一面が宇宙になってんのー!?    てか 何で宇宙の中を普通に歩けてんのー!?    …って突っ込んじゃダメ?」 程塚「非常識続きは慣れっこだが、    流石にここまでだと 頭が痛くなるな…」 遊太「程塚さ〜ん、もっと状況を楽しみましょうぜ?」 程塚「お前の頭ん中 いっぺん覗いてみたいよ…」 ランディ「…!!みんなストップ!」 姫花「ど、どしたのランディ?」 ランディの指した先には、 黒い鎧をまとった男と 鮮血のような髪色をした女性が見える。 ランディ「帝国で聞いた 外見の情報と一致する…      おそらく帝国の四天王だ」 ちなみ「あ、あれが帝国…!」 四天王達も気付いたようで、ランディ達に近づいてくる。 シーク「ほう…こんな所で会えるとはな。     噂は聞いているぞ、聖剣の勇者。お初にお目にかかる。     私は四天王の一人、闇の騎士シークだ。     情報より人数が多いようだが…?」 赤い髪の女性「お前らか…!ゲシュタールを殺したのは!」 ヒュオッ! 言うが早いか、女性の方が細身剣を抜き飛びかかってくる。 遊太「ちょ、オイオイいきなりかよ!?」 シーク「よせファウナッハ!     今日は陛下の命で 探し物をしに来たはずだろう!」 姫花「探し物って…?」 ヒュッ キィン! ランディ「仲間を倒された怒りはわかるが…      ああしなければ 僕らがやられていた!」 ファウナッハ「黙れ…黙れ黙れ黙れええええ!!」 キンッ キィン! ちなみ「ランディ!」 プリム「そっちがその気なら…!」 ビシュッ シュルルルッ ガキン! ちなみとプリムが放った飛び道具を ファウナッハと呼ばれた女性は いとも簡単に剣ではじき、 なおもランディに斬りかかっていく。 シーク「チッ…血の気の多い奴め」 後ろで見ていたシークは、小さく何かを唱えると 開いた両手を ランディ達に向けて突き出した。 ズオオオッ!! ガクンッ! ランディ「!?な、なんだっ…!?」 プリム「ち、力が入らない…!!」 ランディ達が視線を落とすと、 足元に 漆黒のフィールドが作り出されていた。 シーク「暗黒魔法・ダークネスフィールドだ。     お前達の力は封じさせてもらった。     ファウナッハ、やるのならさっさとやってしまえ」 程塚「き、きたねえぞ…!」 シーク「殺し合いに綺麗も汚いもあるか。     急げ、捜索任務が控えている」 ファウナッハ「余計な真似を…だがこれで…!」 キンキンッ キィン! 息を荒げて膝をついたままの体勢で、ランディは必死に応戦する。 和樹「!!ランディさん、危ない!波動…」 姫花「エンジェル…」 グラァッ ドサッ 姫花「…!だ、だめっ…」 和樹(た、体勢が安定しなくて 技が撃てない…ランディさん!) ポポイ「うっ…ふぁ、ファイアボール!」 ボン ボボン! ポポイの放った魔法も 見当違いの方向へ飛んでしまう。 ポポイ「ちっくしょ、このフィールドさえなきゃ…あんちゃん!」 グサッ ズバァッ! 遊太「ら…ランディーー!!」 ファウナッハ「しぶといねえ…でも そろそろ終わりにするよ!」 ランディ「くっ、くそっ…!」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 名由多(なゆた)「ふー、結構奥まで来たなあ…あれ、誰かいる?」 キン キンッ 名由多「あれって…ランディとプリムとポポイ?     え、それに……和樹くん!?程塚君も!!?」 キンッ ズバッ 名由多「何で二人が夢の中に…     って、それより敵に襲われてる!助けなきゃ!!」 ビシュン ビシュン ダダダダダッ 名由多「和樹くん程塚くん!!」 程塚「…え?」 和樹「な、名由多君!?」 シーク「なにっ!?」 ダンッ! 名由多「メルトスパイラル!!」 ズバアアアッ シュルルルルル!! シークの後方から駆け寄った名由多が すれ違いざまに2本の剣で斬りつけた瞬間、 黄色いオーラが シークの全身を螺旋状に這い回る! シーク「ぐっ…!?あっ…があああああっ!!」 ガクンッ ファウナッハ「!!シーク!?」 ランディ(!身体が…) 遊太(動くぞおお…!!) ダダダッ ファウナッハ「!!」 遊太「槍センボン!!」 ズガガガガッ! ガギィィン ズバッ! 膝をついたシークに ファウナッハが気を取られた隙に、 遊太が槍の猛ラッシュを叩きこむ! 細身剣で防ごうとするも、あまりの勢いに剣は後方へ弾き飛ばされ 槍がファウナッハの身体をかすめる! ポタッ ポタッ ファウナッハ「くっ…こ、こんなガキに…!!」 シーク「き……貴様、その剣を……ど、こで…」 名由多「え、ボク?これのこ……と…!!?」 ドサッ 名由多(え…急に身体が…!?) ファウナッハ「シーク、退くよ!」 シーク「おのれ、その剣は…我らの手に…!」 ズザッ! シークに肩を貸し、 ファウナッハは跳ぶようにその場を離れていく… ちなみ「…ランディ、怪我!傷みせて!!」 ランディ「大丈夫、かすっただけだよ。それより、その子…」 チラッ ランディ「…和樹君達の知り合い?」 和樹「はい、2コ下の後輩なんです。小学校の野球部で一緒で」 程塚「名由多君、何で君がここに…」 名由多「わ……かんない…」 プリム「ひとまず休ませてあげなさい。     あんた達みたいに あの技使って疲れてるんだから」 程塚「あっ、わ わりぃ…」 ちなみ「ランディ、傷出してってば!手当するから!」 ランディ「わ、わかったよ。いつつっ…」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <月の神殿・祭壇の間> キラーン キラーン ランディ「よし、これで月の種子とも共鳴完了と」 月の精霊ルナ「話はわかりました。喜んで私も力を貸しましょう」 ポポイ「ひゃー、精霊の中に     こんなかわい子ちゃんがいたとはな!」 ちなみ「名由多君…で、いいんだっけ?もう大丈夫?」 名由多「うん、もうだいぶ動けるようになったよ。     でもこれ、夢じゃなかったんだね」 程塚「…まあ、夢なら良かったんだけどな」 プリム「そうそう名由多君、その剣のことなんだけど。     さっき1本は 宇宙の海で拾ったって言ってたわよね」 名由多「うん!もう1本は     渡し船のカロンにもらったんだ」 ビシュウウン 姫花「…せ、世界観に合わない剣よね…」 程塚「てかどっからどう見ても ライトセーバーだよな…」 和樹「あーどっかで見たと思ったら!スターウォーズの!」 名由多「…ライト…?     カロンは『ブライトソード』って言ってたよ?」 程塚「…スターウォーズ知らねえのか」 ランディ「気になるのは…      帝国もその剣を探してたってことだね」 姫花「あ、そういえば 探し物がどうとかって…!」 ポポイ「なあなあ月のかわい子ちゃん、何か知らねえの?」 月の精霊ルナ「私もその剣のことは知りません…      ただ、強い力を秘めているのは感じます。      帝国がその力を求めるのも 不思議ではないかと」 ランディ「剣、か…      一度ジェマに見せても いいかもしれない」 プリム「そっか…!     剣術が一番盛んっていったらタスマニカ共和国だし、     何かわかるかも!」 ランディ「うん。名由多君がこの世界に来た理由とも      関係あるかもしれないからね。      帝国も関わってる以上、知っておいた方が良さそうだし」 名由多「わあ、次はジェマにも会えるんだ!」 和樹「あはは名由多君、何か全然不安そうじゃないねw」 名由多「うん!だってだって、ゲームの世界に入れて、     あんな凄い技が使えるようになって     しかも 和樹くん達まで一緒なんだもん!     すごく楽しそうじゃない!?」 遊太「おお〜少年!話わかるっすねえ!?」 姫花「と、齢の割にたくましいわね…;;」 程塚(遊太サイドの人間かよ、名由多君…) 和樹「俺達もまさか、名由多君とも一緒に冒険できるなんて…    すごく楽しみだよ!」 ちなみ「ふふっ、何だか可愛い弟ができたみたい…♪」 ランディ「これからよろしくね、名由多君」 名由多「うんっ、よろしくー!」                      (続く)