「聖剣伝説2 another」 第11話 〜黄金の塔の戦い〜 <黄金島・ゴールドシティ> ちなみ「わぁ、すごい…ホントに全部黄金で出来た島なんだ!」 程塚(ほどづか)「な、何か歩いてるだけで 目がチカチカしてくんな…」 プリム「ホントにねw それに、金を利用して     あくどい商売してる商人とかも多いらしいし、     あんまりいい噂は 聞かない島なのよね」 姫花(ひめか)「そうなんだ…!それ聞いちゃうと、         綺麗な島だけど 何かフクザツ…」 ランディ「まあ それはともかく、光の神殿はこの塔の中だよ。      本当は入っちゃいけない場所だから、みんなそーっとね」 和樹「え?じゃあ どうやって入るんですか?」 ポポイ「そこはオイラの出番!じゃじゃーん!     ポポイ様お手製の マスターキーだぜ!」 ちなみ「え!?ポポイちゃん、そんなの作れたんだ!?」 プリム「はいはい、デタラメ言わない。     帝国のレジスタンスのお婆ちゃんに 譲ってもらったんでしょ」 ポポイ「ちぇー、ネタばらしすんなよな〜」 ちなみ「あ、あはは…信じちゃった…;;」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <光の神殿・1F> プリム「はあっ!」 バキッ ビーストゾンビ「キュウ〜〜ン」 プリム「やれやれ、ここもやっぱり モンスターの巣窟か…」 姫花「プリムって凄いね!魔法もブーメランも、    格闘技までも使えちゃうなんて」 プリム「あはは、まあどんな間合いでも戦えるようにね」 姫花「ね、格闘技はどこで習ったの?」 プリム「ん、自己流だよ?最初は護身用だったけど     その内鍛えるのが楽しくなっちゃってw」 遊太「やっぱ主人公3人衆のバトルは 絵になりますねえ?」 和樹「だね!ランディさんがやっぱ一番カッコいいけど、    プリムが長い髪をなびかせて戦うのも    サマになってるんだよな〜」 ちなみ「…ね、ねえ…カズくんってやっぱり、     女の子の髪は 長い方が好き…?」 和樹「え?うーん、あんま考えたことないけど    どっちかっていうとそうかなあ」 ちなみ「そ、そうなんだ……私も 髪のばそうかなぁ…」 和樹「え、でもちなみちゃんは ショートが凄く似合ってると思うよ?」 ちなみ「えっ!!?ほ、ほほほんと!?」 和樹「うん。凄くちなみちゃんらしいなって感じがするし    今のままでもいいんじゃない?」 ちなみ「そ…そっかな…///  えへへ、ありがと!」 程塚(こいつはホント…鈍感っつーか、罪作りっつーか…) 遊太「程塚さ〜ん、気が気じゃないって感じっすか??」 程塚「………何の話かさっぱりわからんが    とりあえず一発殴っていいか?」 遊太「さ〜て、モンスターに気をつけないとな〜っと」 タタタタタッ 程塚「……ったく」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <光の神殿・3F> 遊太「うりゃ!」 ドスッ タールマン「フシュウウウ…」 遊太「う〜〜ん、っかしいなあ…」 程塚「何だよ遊太、さっきから?戦いに集中しろよ」 遊太「いやこのダンジョン、もうすぐ最上階だと思うんですけど    確か中ボスがいたような記憶があるんすよねえ…」 和樹「覆面の奴らも 元々の聖剣2だといなかったし、    ゲームと内容全然変わってるんだから    気にしてもしょうがないんじゃ?」 遊太「まあ、そりゃそうなんだけど…」 ランディ「そういえば 和樹くん達の世界には      僕達が主人公のゲームがあるんだっけ?      だからそんなに いろいろ詳しいんだよね」 和樹「は、はいっ!ランディさん達は    俺らの世界だと もうみんなの憧れの的ですっ!!」 ランディ「はははっ、何かちょっと恥ずかしいねw」 ポポイ「そのゲームやってみたいな〜     きっとオイラ すげーカッコ良く描かれてるだろうし!」 プリム「えー、あたしはヤダなあ…     だって 自分で自分を操作すんのよ?」 ランディ「……!!」 ポポイ「ん?あんちゃん、どした?」 階段の前で足を止めたランディは、にわかに険しい表情になる。 ランディ「この上から殺気を感じる…      遊太君の言う通り、最上階かもしれない。      みんな、気を引き締めて」 姫花「うっ、うん…わかった」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <光の神殿・4F> カン カン カン 和樹「あれ…?何にもいないじゃ…」 4階に上がった瞬間、何かに気付いた程塚は、はっと頭上を見上げる。 程塚「バカ、カズっ!!上見ろ上!」 和樹「え…?う、うわわっ!?」 ドスゥゥゥゥン!! 降ってきた巨大な青い球体を、和樹はすんでの所でかわす。 姫花「び、びっくりした…何こ…」 ランディ「!!!」 ビュオオッ ズザザザァァッ! 姫花「きゃ、きゃっ!?」 背後から音もなく近づく影に気付いたランディは、 姫花を抱きかかえ、間一髪で爪の一撃を避ける。 ランディ「…大丈夫?」 姫花「あ、ありがとランディ…全然気付かなかった…!」 爪で姫花を攻撃したのは、3mをゆうに越える半人半牛の獣人。 そして青い球体は、巨大な青い虎へと形を変えた。 ポポイ「…に、2体同時って 今まで無かったよな!?」 遊太「中ボスいなかったのって こういうことかい…!    原作改変しすぎだろ オイ!!」 不意打ちを避けられて腹が立ったのか、 獣人は長い角をこちらに向け 猛然と突進してくる。 ランディ「みんな!突進を避けた後に、背後から狙うんだ!      隙が出来るはず!」 和樹「わ、わかりました!」 ドゴォォォン! その言葉通り、突進して壁に激突した獣人の動きが止まる。 しかし… プリム「!!みんな、あれ避けて!」 シャッ シャアアアッ! 獣人を攻撃しようとしていたランディ・和樹・程塚の3人は、 プリムの声に反応し、虎の吐き出した液体を 危うく回避する。 シュウウウウ… 程塚「な、なんだありゃ…酸!!?」 液体の触れた、床や壁が溶け出していく。 姫花「あ、あんなの食らったらシャレにならないわよ…」 と、その間に体勢を立て直した獣人が 再び向かってくる。 ポポイ「くっそ…モンスターの癖に コンビネーションプレイかよ!?」 ポポイの言う通り、獣人の突進の隙を虎がカバーしており、 反撃する隙が無い。 程塚「ちっ…でもな、連携プレイは    お前らの専売特許じゃねーぞ!おいカズ!」 和樹「…!よ、よし!」 グオオオッ ダンッ! 獣人の突進を 大きくジャンプしてかわした程塚は、 そのまま虎の頭上から 木刀を振り下ろす体勢に移る。 程塚「こっちだ、虎野郎!!」 声と殺気に反応し、上を見上げる虎… そうして程塚が気を引いた一瞬の隙を突き、 間合いを詰めた和樹が のどぶえに渾身のアッパーを叩きこむ! 和樹「はああっ!!」 バキイイッ! バイオキメラ「ガアアッ!?」 ちなみ「す、すごい…2人ともカッコいー!!」 遊太「さっすが、少年野球部の補欠コンビ!    息ピッタリっすねえ!」 程塚「補欠は余計だ!!」 ランディ(上手く入ったように見える、が…浅い!!) ランディ「和樹君、程塚君!すぐ離れろ!!」 程塚「…なに?」 和樹「え……あっ!」 いつの間にか体勢を立て直した虎は 再びボール状に身体を丸め、 2人に激しい体当たりを食らわせる! ドガッ ドガアッ! 和樹「うううっ!?」 程塚「…ってえええ!!」 大きく弾き飛ばされる2人… そしてさらに、追い討ちをかけるべく 獣人が身構える! ポポイ「あのアッパー食らって、まだあんな余力残ってんのかよ!?」 プリム「2人とも立つのよ!突進が来る!」 …と、何を思ったか 獣人の突進ルート上に突然、遊太が立ちふさがる。 姫花「ちょっ…あんた 何やってんの!?」 遊太「いいっすねえ…これぞ、RPGのボス戦ってやつっすよ!!」 姫花「はあっ!?」 遊太は不敵な笑みを浮かべ、槍の構えを取る。 遊太「一進一退の攻防!仲間との協力プレイ!    そして巨大ボスとの 臨場感あふれるバトルこそ!!    聖剣2の醍醐味だよなあ!!?」 姫花「わけわかんないこと言ってないで、どきなさい!    死んじゃうわよ!?」 真正面から突っ込んでくる獣人、だが遊太は一歩も退かない! 遊太「燃えて…きたぜえええっ!!」 ポポイ「ゆ、遊太っ!?」 突進に合わせ、槍を突き出す遊太!だが… 遊太「槍・セン・ボン!!!」 突きは1回きりではなく、3回、4回…10回、20回…! それこそ無数とも思える回数の突きを、一瞬の内に繰り出す! ガッ ガッ ズガガガガガッ!! ゴーゴンタウロス「ブフォォォォォ!!?」 ドゴオオオン グシャアッ! 勢いよく吹き飛ばされた獣人の巨体は、 そのまま虎を押し潰し、下敷きにする。 ランディ(上手い…!相手の突進の勢いをも利用し、      自分の技の破壊力を高めた…これなら…!?) 潰された虎は 最早ピクリとも動かないが、 獣人はなおも立ち上がろうとする。 ポポイ「しつっこいんだよ!サンダーボルト!」 ズガアアアアン!! ゴーゴンタウロス「グ…グォォォォ!?」 ランディ「プリム、僕がトドメを刺す…頼む!」 プリム「オッケー…サンダーセイバー!」 バリバリバリッ!! ランディの掲げた聖剣に、魔法の雷が落ちる。 そのままランディは 頭上で大きく剣を回転させながら獣人に接近し、 電撃を帯びた聖剣を、大上段から振り下ろす。 ランディ「これで…とどめだ!!」 クルクルクルッ ズバァァァッ バリバリバリイイイッ!! ゴーゴンタウロス「グオ…グオオオオオッ!!!」 バチッ…バチバチッ…ドカ――――ン!! 獣人は断末魔をあげ、虎もろとも爆発四散した… 姫花「終わっ…たの…?」 ちなみ「……!カズくん、程塚君!!」 タタタタッ ちなみ「ねえ、2人とも大丈夫!?骨とか折れてない!?」 和樹「あはっ、かすり傷だよ、ちなみちゃん」 程塚「俺もだ…心配すんなよ」 ちなみ「ほ、ほんとにっ!?良かった〜」 遊太「いや〜しかし俺にも、カズさんやちなみちゃんみたいな    すげー力が備わってたんすねえ…」 程塚「それはめでたいんだけどよ、遊太…    『槍センボン』ってネーミングはどうよ」 ちなみ「あ、程塚君…     あの技名、勝手に口から出ちゃうんだよ…///」 程塚「え!?あれって、そういうもんなの!?」 姫花「あ〜確かに『サジタリウスシュート』って    全然ちーちゃんっぽくないもんね〜    ちーちゃんだったら『とっても速い矢ー!』とか言いそうw」 ちなみ「ひ、酷いよ姫ちゃん…!」 程塚「……」 遊太「あ、程塚さん?    今『それはそれで可愛いな…』とか、思いませんでした?」 程塚「おまっ…!?勝手に人の思考を読むな!    つーか、思ってねえし!」 ランディ「あははは…とにかく、今回の勝利はみんなのおかげだよ。      本当にお疲れ様」 プリム「じゃあ 遊太が動けるようになったら     この先に祭壇の間があるはずだから…」 パリーン!! ポポイ「こ、今度は何だ!?」 ちなみ「あっ……!」                   (続く)