「聖剣伝説2 another」 第14話 〜白馬の剣士〜 <黄金島から北東の島> 姫花(誰か……誰か助けてっ……!!!) ???「…一つ 天使のベール 人呼んでバリヤー技」 カアアァッ!! グルーロード「な、何だっ!?」 姫花「!!?」 突如、和樹の身体が 純白のドーム状のオーラに包まれる。 バキン! グルーロード「くっ…!」 グルーロードの振り下ろした折れた刃は オーラに激突し、さらに2つに折れていた。 そして…和樹のすぐ隣には、いつの間にやら 白馬に跨った 一人の人物が立っていた。 姫花「だ……誰?」 ???「リクニナイト・ラーディアー・グランディアス。     強きをくじき、弱きを助く剣士」 長い青髪を後ろで束ね、 和風の衣装に身を包んだ剣士は そう答える。 リクニナイト「泣いている女の子に斬りかかるそのやり口…        感心しないな」 スッ リクニナイト「二つ 雷妖弾 人呼んで光弾技」 バシュ バシュッ! グルーロード「うおおおっ!?」 近距離から放たれた、数発の青い光弾を避けきれず、 グルーロードは苦痛に顔を歪める。 リクニナイト「三つ マッハスライサー 人呼んで切断技」 ドンッ グルーロード「!!?」 剣に青いオーラを纏わせ、猛然と突進するリクニナイトは 避ける隙すら与えず、すれ違い様に グルーロードの身体を両断する。 ズバアアアアッ! グルーロード「ぐ…ぐおおおおおっ!!?」 姫花(つ、強い……!!) ボタッ ボタボタボタッ グルーロード「く……くくくっ……        リ、リクニナイト……リクニナイトだと!!?」 リクニナイト「何がおかしい?」 フラァッ フラフラッ グルーロード「くくくくっ そ、そうか……        そういうことか!!ふははははっ!!」 ピューイッ! バサッ バサッ グルーロードが口笛を吹くと、先程の緑の巨鳥が 傷ついたグルーロードを鷲掴みにする。 リクニナイト「…逃がすと思うのか?」 巨大ガラシャ「ガアアアアッ!」 バサバサバサアアッ ゴオオオッ 巨鳥が大きく羽ばたくと 周囲に凄まじい土煙が巻き起こる。 リクニナイト「くっ!!」 思わず目を塞いだリクニナイトが、再び目を開けた時には 既にグルーロードの姿は消えていた。 リクニナイト「……くそっ」 姫花「あ、あの……リクニナイトさん。あ、ありがとうございます…」 リクニナイト「長くて呼びづらいだろう?        リッキーとでも呼んでくれ」 姫花「あ、はい…リッキー。危ない所を…」 リッキー「…どうやら、君の仲間も迎えに来たようだな」 姫花「えっ?……あっ!」 キュイキュイーン! 姫花「み……みんなあああっ!!」 バサバサアアッ タタタタタッ フラミーが着陸すると、真っ先に飛び降りた ちなみが駆け寄ってくる。 ちなみ「姫ちゃんっ、カズくん!!」 姫花「ち、ちーちゃああん!!わあああああん!!」 ちなみと抱き合った瞬間、糸が切れたように 姫花はワンワン泣き始める。 ちなみ「姫ちゃん、大丈夫!?どこかケガしてない!?」 姫花「うん、うんっ…!!でも、あたしより和樹が……!!」 和樹の側に駆け寄り、様子を見ていたランディが姫花に声をかける。 ランディ「大丈夫。ちょっと口から血が出てるけど、      和樹君も大きなケガはしてないよ」 和樹「うん、姫花ちゃん……俺は大丈夫だから…」 姫花「か……かずき…」 リッキー「では、私はお役御免だな」 立ち去ろうとするリッキーを 遊太が呼び止める。 遊太「ちょちょっと待ってくださいよ!?    カズさん達 助けてくれたんすよね?    名前くらい教えてくれません?」 リッキー「リクニナイト・ラーディアー・グランディアス」 程塚(ほどづか)「な、名前なげえな…」 遊太「リクルートさん、何で助けてくれたんすか?」 リッキー「……リッキーと呼んでくれ。      弱き者を救う、それが私の使命だからだ」 プリム「使命?………ねえ。     会ってすぐの人に こんなこと聞くのもアレなんだけどさ。     何か知らない?ここにいたローブの奴のこととか、     こことは別の……世界のこととか」 リッキー「……」 プリム「この子達、別の世界から迷い込んできちゃって。     元の世界に帰る方法 探してるのよ」 リッキー「…私は何も知らない。      ただ女神様より使命を賜り、戦っているだけだ」 ポポイ「女神って!?マナの女神様かよ!?」 程塚「…リッキー。じゃあせめて、    あんたが何者かくらい 教えてくれねえか?」 リッキー「…強きをくじき、弱きを助く剣士。      それだけだ。もう行くぞ」 程塚「あ、おいちょっと…!!」 バサアッ 遊太「ペ、ペガサスぅ…!?」 バサッ バサッ 翼を広げた白馬に乗り、リッキーは振り返りもせず 飛び去っていった。 程塚「…マジで何モンなんだよ、あいつ…」 ランディ「とにかく、一度マンダーラの村に戻ろうか。      ここじゃ落ち着いて話も出来ない」 程塚「だな。おいカズ、立てるか?よっこらせ…っと」 和樹「うん、何とか……ありがとう…」                      (続く)