「聖剣伝説2 another」 第12話 〜死と闇の強襲〜 <光の神殿・4F> パリーン! ステンドグラスを破り、塔に入ってきたのは 緑色の巨大な鳥。 そしてその背に跨るのは… ランディ「グルーロード…!」 ちなみ「ウォーズラー!」 ウォーズラー「ギャハハ、こないだは世話になったなァ!?        短髪女ァァ!!」 ブオオオオッ 鳥から飛び降りると同時に繰り出された、ウォーズラーのなぎ払いで 一行は大きく体勢を崩す。 ガシッ! 和樹「え!?うわわっ…!」 その隙を突き、和樹を足で捕まえた鳥は グルーロードを背に乗せたまま 窓から出ていこうとする。 程塚「カ、カズッ!!」 姫花「くっ…!」 シュルルッ キュッ! 姫花はとっさに、鞭を鳥の足に巻き付ける。 ちなみ「カズくんっ!」 ポポイ「ダイヤミサイル!」 シュッ ズガガガッ ガキンガキン! 鳥を狙ったちなみの矢と、ポポイの魔法を ウォーズラーは容易くハルバードで叩き落とす。 和樹を抱え、姫花をぶら下げたまま、巨鳥は飛び去っていく… 遊太「あの鳥、ザコモンスターにいたと思うけど…    何であんなデカいんだ…?」 ウォーズラー「へっ グレートデスデッドチーム舐めんなよ?        モンスター改造技術で 一発だっつーの」 程塚「んな事どうでもいいんだよ…    今度はどういうつもりだ!?    いつもいつも 邪魔ばっかしやがって!!」 ウォーズラー「文句はグルーロードに言いな。       どうしてもあのメガネチビに リベンジしてえんだとよ。       余計なオマケもくっついて行っちまったが まあどうにかなんだろ」 プリム「2人をどこへ連れてったの?」 ウォーズラー「教えると思うか?        ま、この俺に勝てたら 考えてやってもいいぜ」 ビュンッ ウォーズラー「せっかくだからな!       俺の方も この前の借り、返させてもらうぜええ!!」 ビュオオッ ブオオオオオッ! ランディ「ま…待て!      いま遊太君は動けないし、程塚君も負傷してるんだ!」 ウォーズラー「ギャハハハ、そうかよ!        そりゃ好都合だなァ!?」 ビュンビュン ビュオオオオオッ! 程塚「お前ら…俺達の戦いが終わるの待ってただろ。    卑怯にも程があるぞ!?」 ウォーズラー「だから知らねえんだよ。        前も言ったよなァ?        俺は俺のやりたいことやるのがモットーで、        他人の都合なんて 考えたことねえってなァ!?」 キィィィィン ウォーズラー「んっ?」 ちなみ「どうして……     どうしてそんなことばかり言えるの!?出来るの!!?」 ギリギリギリッ ちなみ「サジタリウスシュート!!」 バシュウウウウッ!! ウォーズラー「ぐああっ…!!」 先日の戦いと、寸分違わぬ位置に ちなみの高速の矢が突き刺さる! ボタボタボタ ウォーズラー「く……くっそ…!       相変わらず とんでもねえスピードだな…       だがよ、同じ技で俺が 二度も倒せると思ったらな…」 程塚「だったら こいつも食らっとけや!!」 ウォーズラー「!!?」 程塚の木刀は 巨大な電撃のエネルギーを纏い、 元の倍以上のサイズに膨れあがっていた。 バチバチバチィィィッ 程塚「セント・ボルト・クラッシュ!!」 巨大な電流そのものと化した木刀を、程塚は真横に振り抜く! ズバアアアアッ! ウォーズラー「がっ……あっが……!!」 既に重症を負っていたウォーズラーに とても対処できる攻撃ではなく、 程塚の一撃は、ちなみが射抜いたのと反対側の肩を切り裂いていた。 ドサッ ドサッ ちなみ「はあっ……はあっ……!」 程塚「ど……どうだこの野郎…!」 ちなみと程塚、そして 先刻技を放った遊太の3人がその場に倒れこんでいたが、 ウォーズラーも既に 戦闘を続けられる状態ではなかった。 ランディ「約束だ。グルーロードの行き先を教えてもらおう」 ウォーズラー「へ……へへへ……バカか、てめえ…        俺は『考えてやる』つったんだよ…」 ポポイ「…!て、てっめえ…!!」 ポポイが詰め寄ろうとする前に、ウォーズラーは後ずさり 窓から後ろ向きに落下した…! ポポイ「なっ…!?」 慌てて窓に駆け寄り、下を覗きこんだポポイだが 既にウォーズラーの姿は見えなかった。 ポポイ「死んだ…のか…?」 ランディ「いや…あいつのあの身体能力だ。      4階から飛び降りても 生き延びることは出来るだろう」 プリム「それより、和樹と姫花ちゃんよ。     こうなったら フラミーで空から探すしかない!!」 ランディ「ああ…種子の共鳴と精霊の契約は とりあえず後回しだね」 ランディが程塚、プリムがちなみ、ポポイが遊太を抱えようとする。 遊太「いやいやいや!?俺らに構ってる場合じゃないでしょ、    置いてってくださいよ!?」 ポポイ「何言ってんだ!万が一あいつが戻ってきたら     なぶり殺しにされるだけだぞ!?」 遊太「うっ…た、確かに…」 ちなみ「ごめんね……こんな時に…」 プリム「いーから!ケガ人は黙って 運ばれときなさい!」 程塚(カズ、姫花ちゃん…無事でいろよ…!)                      (続く)