「聖剣伝説2 another」 第3話 〜勇者との邂逅〜 <マンテン山脈〜7合目〜> 程塚の振り下ろした木の枝が、巨大蜂・ボムビーの脳天を直撃した。 ガンッ! ドサッ 程塚(ほどづか)「ふうっ、次から次へと出てきやがって…」 遊太「程塚さんスゲー!いつ剣道始めたんすか?」 程塚「やってねえよ…つーかお前こそ凄いよ。    俺らと違って 野球部でも無い癖に、    投げる石ころ百発百中じゃねえか…しかも剛速球」 和樹「ひ、姫花ちゃんも凄いよ。    投げた蔓が モンスターの足に正確に絡みついて…」 姫花「目についたの、適当に投げただけなんだけどね…    でも本当すごいねあたし達。    やっぱこれ夢なのかな?」 ちなみ「あ、ねえ!あそこに賢者様いそうじゃない?」 ちなみの指した先に、おごそかな雰囲気の祠が見えた。 姫花「あはは、いかにもって感じだね。じゃ、さっそく…」 程塚「ま、待て!物陰に何か…!」 姫花「え…?わ、わわっ!」 ザザザッ 灰色のローブと覆面で全身をすっぽり覆った男達に、 5人は一瞬で囲まれた。 和樹「こんなモンスター…聖剣2にいたっけ?」 遊太「あ、どーもどーも!    いや俺ら、全っっ然怪しい者とかじゃないんで!」 姫花「むしろ、こいつらの方が怪しいわよ…」 灰色の男A「貴様ら、ここに何の用だ?」 遊太「いやー用ってほどじゃないんですけど;」 灰色の男B「見たことも無い服装、しかも丸腰…何者だ、名を名乗れ」 和樹「何者って言われても…○×小6年生の、和樹としか」 灰色の男C「わけのわからん事を…まあいい。どちらにせよ、      我らグレートデスデッドチームの存在を知られたからには      ただでは帰さん」 灰色の男A「やれ」 程塚「おい、こっちの話も…!」 ビュオッ 有無をいわさず斬りかかってきた男達を、紙一重でかわす5人。 遊太「も、問答無用かよっ…!」 シュッ ガキン! 遊太の投げた石は、あっさりと剣で叩き落とされた。 姫花「あははー、なーんかヤバい雰囲気…」 和樹「今までのモンスターと    明らかにレベルが違うみたいだね…」 遊太「えーっと、リセットボタンはどこかなーと^^」 程塚「げ、現実にそんなもんあるかっ!」 武器を構え、じりじりと距離を詰めてくる男達。 灰色の男A「覚悟しろ」 ちなみ「も、もうダメぇっ…!」 バッ! その瞬間、祠から一人の少年が飛び出した。 少年「はぁっ!」 ズバッ スタッ 少年は一番前にいた灰色の男を、一太刀の下に斬り伏せた。 灰色の男B「だ、誰だっ!」 シュルルルッ! その声に答える代わりに、ブーメランが凄まじい勢いで男達をなぎ倒す。 少女「ちょっとー、勝手に行動しないでよ!」 子ども「そうそ、オイラの出番も残しといてくんなきゃ。     ファイアボール!」 ボボン ボボン! さらに、いくつもの火球が男達を襲う。 灰色の男C「あ、あぢぢぢぢっ!!」 灰色の男B「やむを得ん、一旦退却だ!」 ダダダダッ 男達は倒れた仲間を抱え、一目散に逃げていった。 少年「ふー、キミたち大丈夫?」 剣とバンダナが似合う茶髪の少年。 長い金髪をなびかせた、男まさりな印象の少女。 そして角を生やした小さな子どもは、同時に和樹達を振り返った。 ちなみ「た、助けてくれたんですよね?     ありがとうございます」 姫花「あの、あなた達は…」 少年「ああ 自己紹介がまだだったね。僕はランディ」 少女「あたしはプリム」 子ども「オイラは、ポポイって呼んでくんな」 和樹「ええええぇっ!?ほ、本物のランディ!!?」 遊太「主人公キタ―――――!!    やっぱここは、ゲームの中なんだな!」 和樹「さささサイン貰ってもいいですか?!」 ランディ「えええ?な、何で僕たちのこと知ってるの?」 プリム「ていうか、あんた達だれ?」                    (続く)