DQ5 グランバニア王女SS「お兄ちゃんの初恋」 <山奥の村> レックス「へえー、ここが山奥の村かあー!」 タバサ「わあっ、緑がいっぱいで すっごくステキな所!     それに空気もおいしー!」 フローラ「私もここに来るのは久しぶり…      ビアンカさん、元気にしてるかしら?」 リュカ「もう10年も顔見せてないからね…     きっと心配してるんじゃないかな」 タバサ「ビアンカさんって、お父さんの幼馴染なんでしょ?     どんな人なの?」 リュカ「いつも明るくて元気で、一緒にいると楽しくなれる人だよ」 フローラ「それとね、とってもキレイな人なの。      会ったら二人ともビックリするんじゃないかしら」 レックス「えーお母さんより?」 フローラ「そうねえ、結婚する時 お父さんも随分迷ってたみたいだから      きっとお母さんより美人かもしれなくてよ」 リュカ「ちょ、ちょっとフローラ…」 フローラ「ふふ、冗談よ」 <山奥の村・ビアンカの家> コンコン ビアンカ「はーい、どなた…って、あっ!リュカ!!」 リュカ「やあ、久しぶり…」 フローラ「ご無沙汰しております」 ビアンカ「久しぶりじゃないわよ!      もーう、何年も顔見せに来ないから、      どうしてるのかと思って…とにかく入って入って!」 バタン ビアンカ「お父さーん!      リュカがフローラさん達と 遊びに来てくれたわよ!」 ダンカン「何だって?!おお、リュカ!元気そうじゃないか!」 リュカ「ええ、お陰様で。すいません、ずっと音沙汰無しで」 ダンカン「いいよいいよ、いろいろ大変だったんだろう?」 フローラ「ダンカンさん、お体の方はいかがですの?」 ダンカン「ああ、ありがとう。最近は大分調子がいいんだ。      それより、今日は少しはゆっくりしていけるのかい?」 リュカ「ええ、今日は二人に会うために来たんですから」 ビアンカ「ほら、立ち話もなんだし、座って座って!」 ガタン ビアンカ「ねえ、気になってたんだけど、もしかしてその子達…」 リュカ「ああゴメン、紹介が遅れたね。ほら二人とも、挨拶して」 タバサ「初めまして、ビアンカさん。     グランバニア王女、タバサといいます。     お父さんが いつもお世話になってます」 ビアンカ「あら、お行儀がいいのね!流石フローラさんのお子さんだわ。      それで、そっちの男の子が…」 レックス「ははは初めまして!      ぐぐぐグランバニア王子、レックスと申します!!      どどどどうか、今後ともよろしくお願いいたします!!」 タバサ(……?お兄ちゃん、何そんなに慌ててるのかしら?) ビアンカ「うふふ、こちらこそよろしく!      二人とも、お母さん譲りのブルーの髪がとってもキレイ!      でも、目つきはリュカにそっくりね」 ナデナデ レックス「(わわっ…!)ど、どうもっ…!」 タバサ「ありがとうございます。ビアンカさんも、     お父さん達の言ってた通り すごくキレイですね」 ビアンカ「えっ?!リュカったら、私のことどんな風に話してるの?」 リュカ「いや、僕じゃなくてフローラが…」 フローラ「あら、私は事実を言ったまでですわよ?」 タバサ「こんあキレイな人と幼馴染だったなんて、お父さんやるじゃない」 ビアンカ「もーう、家族揃って私をからかわないで!      あそうだ、丁度クッキー焼いてたところだったの。食べるでしょ?      レックス君とタバサちゃんは、クッキー好き?」 タバサ「はい、大好きです」 レックス「すすす好きであります!!」 ビアンカ「ふふっ、じゃあちょっと待っててね」 ツンツン タバサ「ねえ、お兄ちゃんどうしたの?さっきから何かおかしいよ?」 レックス(ぼーっ…) タバサ(もうっ、変なお兄ちゃん…) 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <数日後、グランバニア城・窓辺> タバサ「お兄ちゃん、おやつの時間だって!一緒に食べにいこ?」 レックス「……」 タバサ「お兄ちゃんってば!何そんな所でぼーっとしてるの?」 レックス「はぁっ…」 タバサ「おーにーいーちゃん!行かないんだったら、     わたしがお兄ちゃんの分も食べちゃうよ!」 レックス「…いいよ…」 タバサ「ええっ!?ど、どうしたのお兄ちゃん!?     どこか具合でも悪いの?」 レックス「別に…」 タバサ「もう、何なのよ本当に…」 <グランバニア城・廊下> ドリス「あらタバサ、どうしたの浮かない顔して?何か悩み事?」 タバサ「あのね、この前山奥の村に行ってから     お兄ちゃんの様子がずっと変なの…     いっつもお空を眺めて ため息ばっかりついてるし、     大好きなおやつも 食べなくていいって言うし…」 ドリス「あー、そりゃ多分アレだね…」 タバサ「ドリス、何か知ってるの?」 ドリス「十中八九、恋の病ってヤツだろうね」 タバサ「えっ!?こっ、恋!?それってつまり、     お兄ちゃんに好きな人ができたってこと!?」 ドリス「まー、レックスももう10歳だからねー。     恋の一つや二つしても おかしくないんじゃない?」 タバサ「だだだ誰なの!?お兄ちゃんの好きな人って!!」 ドリス「あ、あたしに聞かれても知らないよ…」 タバサ「どどどどうしよう…     お兄ちゃんに好きな人が、恋人が…     もしかしたら、その人とけけけけっこん…」 ドリス「落ち着きなって…     まだそうだと決まったわけじゃないんだからさ。     そうだ、そんなに気になるんなら 本人に直接聞いてみたら?」 タバサ「そそそそうする…」 スタスタ ドリス「おーいタバサ…右手と右足、一緒に出てるぞー…」 <グランバニア城・窓辺> レックス「……」 タバサ(またぼーっと空見てる…) タバサ「お兄ちゃん!     お兄ちゃんの分のおやつ、持ってきてあげたよ。食べる?」 レックス「…いらない…」 タバサ「…ねえお兄ちゃん、誰か好きな人でもできたの?」 レックス「え、えっ!?な、何でそんなこと!?」 タバサ「ドリスに 最近お兄ちゃんの様子が変だって話したら、     恋でもしてるんじゃないかって言うから…」 レックス「ままままさか!ドリスの勘違いだよ!!」 タバサ(…これは間違いないわね…) タバサ「ねえ、相手は誰なの?     ドリス…じゃないよね。ベラさん?アイシス様?」 レックス「だ、だからそんなんじゃないってば!!」 タバサ「…もしかして、ビアンカさん?」 レックス「(かああっ)そ、そうだっ、そろそろ剣のお稽古の時間だった!」 タバサ(うわぁ、わかりやすっ…) タバサ「やっぱりそうなんだ…そういえばビアンカさんと話してる時、     顔真っ赤になってたもんね…」 レックス「…!」 タバサ「お兄ちゃん、ビアンカさんといくつ年離れてるかわかってるの?     ビアンカさん、もう30歳だよ?     お父さんやお母さんより ずっと年上なんだよ?」 レックス「わ、わかってるよそんなこと!」 タバサ「じゃあ、お兄ちゃんなんか      ビアンカさんは 相手にしないってこともわかるよね?     お兄ちゃんみたいな子どもに好きになられたら     ビアンカさんだって困るでしょ?」 レックス「そ、そんなこと 何でタバサにわかるんだよ!      大体、ボクが誰を好きになったって      タバサには関係ないだろ!」 タバサ「(むかっ)関係なくないよ!     わたしは将来、お兄ちゃんのお嫁さんになるんだから!     お兄ちゃんだって 約束してくれたじゃない!     結婚指輪も交換したじゃない!」 レックス「そ、それって結婚式ごっこした時の話でしょ?      しかもすごく小さい頃の…」 タバサ「じゃあ何?あれは本気じゃなかったっていうの!?     ひどいっ!わたしのことは 遊びだったのね!!」 レックス「そ、そんな大げさな…」 タバサ「もういいっ!バカバカッ!     お兄ちゃんの うわきもん!!     さっさとビアンカさんに 振られちゃえばいいのよ!!」 タッタッタ レックス(う、うわきって…) 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <さらに数日後、グランバニア城・廊下> ドリス「あ、タバサ…って、何またそんな暗い顔してんの?     明日はあんた達の 誕生日パーティだってのに。     楽しみじゃないの?」 タバサ「楽しみは楽しみだけど…     それより、あれからずっと お兄ちゃんと口聞いてないの…」 ドリス「あれから…ってまさか、     本当にレックスに好きな人がいたの!?」 タバサ(…コクン) ドリス「そっかー、そりゃあんたもショックだったろうねー…     で、それが原因でケンカしちゃったんだ?」 タバサ「うん…わたしも少し、言いすぎたかなって思ってるんだけど…     何て言って謝っていいのか、わかんなくって…」 ドリス「それなら、丁度いいタイミングなんじゃない?     ほら あんた達、毎年誕生日に     手作りのプレゼント交換してるでしょ?     それを渡す時に 一緒に謝っちゃえば?今年は何作ったの?」 タバサ「貝殻で作った、お揃いのブレスレット…     でも受け取ってくれるかなあ…     酷い事言っちゃったし、     お兄ちゃんまだわたしのこと 怒ってるかも…」 ドリス「心配しなさんなって!     レックスだって、今のタバサと同じ気持ちのはずだよ」 タバサ「そ、そうかな…」 ドリス「大丈夫だって!信じてあげなよ、レックスのこと。     あんたの大好きなお兄ちゃんは     そんな簡単に 妹を嫌いになるようなヤツなのかい?」 タバサ「そ、そうだよね…     ちょっと元気出てきた。ありがと、ドリス!」 タッタッタ ドリス「ふう、相変わらずお兄ちゃんにベッタリなんだねえ…     ま、そんな所もあの子らしいけどさ」 <グランバニア城・双子の部屋> タバサ「ドリスはああ言ってくれたけど     お兄ちゃん、私のプレゼント気に入ってくれるかな?     でもとっておきの 貝殻のコレクションまで使ったんだもん、     きっと喜んでくれるよね。     ちゃんと仲直りできるといいなあ…」 タバサ「そだ、まだプレゼントにラッピングしてなかったっけ。     ええと、どこにしまったかな…」 ガラッ タバサ「?何これ?」 ファサッ タバサ「わぁ、キレイ…     お花がいっぱい繋がってて…これ、レイ…?」 タバサ「でもこの引き出しって、     わたしとお兄ちゃんしか 使ってないはずだし…     もしかして お兄ちゃんがわたしに…?     って、この大きさじゃわたしにはブカブカだよ…     じゃあ、まさか…!」 バタン レックス「ふあーあ、お腹いっぱいになったらすっかり眠く…      ってタバサ、何やってんの?!」 タバサ「…お兄ちゃん、これ何?」 レックス「か、勝手に触るなよう!」 バッ タバサ「すごくステキなレイね…     もしかして、ビアンカさんへのプレゼント?」 レックス「ど、どうだっていいだろ!!」 タバサ「そうだよね…     明日のお誕生パーティ、ビアンカさんも来るって言ってたもんね…     告白する絶好のチャンスだよね」 レックス「こここ告白って…!」 タバサ「最近毎日夜更かししてると思ったら、こんなの作ってたんだ…     そんなに指にいっぱい傷できるまで 頑張っちゃって… レックス「え?いや、これは…」 タバサ(てっきり わたしへのプレゼント作ってるのかと思ってたのに…     お兄ちゃん、わたしよりビアンカさんの方が大事なんだ…     わたしのことなんか、もうどうでもいいんだ) タバサ「それ、ビアンカさんの好きなお花?     お父さんから聞いたの?熱心だね…     よっぽど ビアンカさんのこと好きなんだね」 レックス「……」 タバサ「ビアンカさん、美人だもんね…     お兄ちゃんが好きになるのもわかるよ。     スタイルもいいし、     わたしみたいな子どもなんかより 全然いいよね」 レックス「あ、あのさ、タバサ…」 タバサ「バイバイ、お兄ちゃん!ビアンカさんと お幸せにね!     結婚式には 呼ばなくていいからね!!」 タッタッタ バタンッ レックス「ちょ、ちょっとタバサ!」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <翌日、グランバニア城・大広間> タバサ「はぁ…」 フローラ「どうしたの、タバサ?パーティ、楽しくない?」 タバサ「あ、お母さん…そ、そんなことないよ?」 フローラ「でも、さっきから誰ともお話しないで ここに座ったままだし…      そうだわ、あなたの好きなチーズケーキでも食べてきたら?      今日のは サンチョさんが      腕によりをかけて作った特別製らしいわよ」 タバサ「うん…そうしようかな…ありがと、お母さん」 タバサ(あ、お兄ちゃんとビアンカさんだ…今、あれ渡すのかな…) レックス「あ、あのっ!ビ、ビアンカさんっ!!」 ビアンカ「あ、レックス君!      お誕生日おめでとう、11歳になったんだっけ?」 レックス「は、はいっ!あの、もももしご迷惑じゃなかったら      ビアンカさんに 受け取ってもらいたい物があるんです…!」 ビアンカ「私に?何かしら?」 レックス「ここここれなんですけどっ…!」 スッ ビアンカ「ありがとう…開けてみてもいい?」 レックス「は、はいっ!」 ガサガサ ビアンカ「これ…レイね?かけてみてもいいかしら?」 レックス「どっ、どうぞ!!」 ファサッ ビアンカ「わぁっ、色とりどりでとってもキレイね。      うふふ、私みたいなおばさんには ちょっと似合わないかもしれないけど…」 レックス「そ、そんなことないです!      す、すごく似合ってると思います!」 ビアンカ「ねえ、もしかしてこれ レックス君の手作り?」 レックス「そ、そうです!!」 ビアンカ「へえー、作るの大変だったでしょう…      でもとっても上手にできてるわ。      嬉しい、ずっと大切にするね」 レックス「はっ、はいっ!!」 タバサ(お兄ちゃんったら、あんなに嬉しそうな顔しちゃって…     上手くいったんだね…) コリンズ「おっ、レックスの奴やるな!」 タバサ「あ、コリンズ君…」 コリンズ「年上の女をナンパか!      剣と食いモンにしかキョーミねえガキだと思ってたけどよ、      なかなかあいつも 隅におけねーじゃん!」 タバサ「そ、そうだね…(じわっ)」 コリンズ「ん?何泣いてんのお前?」 タバサ「(ゴシゴシ)な、泣いてなんかないもん!」 コリンズ「はっはーん、      またいつもの『お兄ちゃん大好き病』か?      お前まさか まだ『お兄ちゃんと結婚する!』とか言ってんの?」 タバサ「な、何よ…悪い?」 コリンズ「バッカだなーお前。      あのな、兄弟ってのは結婚できねーんだぜ?」 タバサ「わかってるよ そのくらい!わかってるけど、     それでもわたしは お兄ちゃんが好きなのっ!」 コリンズ「わかってんだったら、      いい加減 お兄ちゃんは卒業しろよ。      そんで新しい男でも見つけりゃいーじゃん」 タバサ「うるさいなあ…     コリンズ君には わかんないよっ!わたしの気持ちなんか…」 コリンズ「わかんねーのは おめーの方だよ。      結婚できねーって知ってんのに       好きでいてどうすんだよ?わけわかんねー」 タバサ「ほっといてよ!     もうっ、コリンズ君みたいなイジワルな子には     一生お嫁さんなんて 来てくんないんだからねっ!う、ううっ…!」 タッタッタ レックス(……!タバサ!?) ビアンカ「あら、タバサちゃん どうしたのかしら?      何だか泣いてたみたいだけど…」 レックス「ご、ごめんなさいビアンカさん!      ボクちょっと行ってきます!」 <グランバニア城・双子の部屋> タバサ「ううっ、ひっく…ぐすっ…」 コンコン レックス「タバサ、いるんでしょ?入るよ?」 ガチャ タバサ「何よ…ビアンカさん ほっぽってきちゃっていいの?     大好きなビアンカさんと イチャイチャしてなさいよ…」 レックス「だって、タバサ急に泣きながら出ていくんだもん。      ほっとけないよ」 タバサ「余計なお世話よ!     お兄ちゃん、わたしよりビアンカさんの方が大事なんでしょ!?     だったらずっと ビアンカさんと一緒にいればいいじゃない!     わたしには もう構わないで!!」 レックス「そ、そんな風に思ってたの?」 タバサ「だってここ最近ずっと     朝から晩まで ビアンカさんビアンカさんって…     わたしのことなんか、もうどうでもいいんでしょ!!」 レックス「タ、タバサ落ち着いて…」 タバサ「わたしみたいな 怒りんぼで焼きもち焼きな女の子は     キライになったんでしょ!だからもういいよ!     わたしとは もう二度と口聞かなくていい!     一緒に遊んでくれなくてもいい!     わたしのことなんて 忘れていいよ!!」 レックス「……(ガサゴソ)」 タバサ「うっ、ううっ…ぐすっ…」 コトン タバサ「…?何、コレ?」 レックス「誕生日プレゼント…タバサの…」 タバサ「…木で作った、わたしとお兄ちゃんのお人形…     でも何で?ビアンカさんへのプレゼントで忙しくて、     わたしの分は 作る暇なかったんじゃ…」 レックス「えへへ、両方間に合わせるの大変だったよー。      それにボクぶきっちょだから、      ナイフで何回も手切っちゃって…」 タバサ「…!じゃあ、その手のケガって…」 レックス「タバサ、ゴメンね…      タバサがそんなに傷ついてるなんて 知らなかったよ。      でも、タバサのことどうでもいいなんて 思ったこと無いよ。      キライになんて 絶対なったりしない」 タバサ「…でも、お兄ちゃんには もう好きな人が…」 レックス「そりゃ確かに ビアンカさんのことは…      すすす好きだけど、タバサのことだって それと同じくらい…      ううん、それよりもっと大好きだよ」 タバサ「ホ、ホントに?ホントにビアンカさんより わたしの方が大事?」 レックス「うん…だって、      ちっちゃい頃からずっと一緒だったじゃん。      お父さんやお母さんがいない時も、二人一緒だから頑張れた。      多分、タバサがいなかったらボク ガマンできなかったと思うよ。      えへへ、ボク結構寂しがりやだからさ…」 タバサ「お、お兄ちゃん…」 レックス「それにさ…ボク子どもっぽいから      やっぱり タバサが側にいてくれないとダメみたい。      まだまだボクには タバサの助けが必要だよ」 タバサ「で、でも…兄弟って 結婚できないんだよ?」 レックス「結婚できなかったら 仲良くしちゃダメなの?      兄弟だからって 一緒にいちゃいけないってことは無いんでしょ?      タバサ、側にいてよ。      今まで通り、ずっと仲良しでいようよ。      タバサと何にも喋れないのなんて、もうやだよ」 タバサ「う、ううっ…ご、ごめんなさいお兄ちゃん…     お兄ちゃんはわたしのこと もういらないんだと思ってたから、     ひどい事ばっかり言っちゃって…     プレゼントの事だって 忘れてるって勝手に思ってて…」 レックス「謝んないでよ、タバサ。ボクの方こそごめん、      タバサの気持ちなんて 全然考えないで…」 タバサ「ううん、もういいの…     お兄ちゃんがわたしのこと     キライになったんじゃないって わかったから…」 レックス「えへへ、じゃあ仲直りだね!」 ギュッ タバサ「お兄ちゃん、わたしもうわがまま言わないよ。     わたしのことだけ 見ててほしいなんて言わない。     お兄ちゃんが他の人と同じくらい、     わたしのことも大事にしてくれれば それでいい…」 レックス「ボクも これからはもっともっと      タバサの気持ち考えるようにするよ」 タバサ「うん…お兄ちゃん、だーい好き!!」 〜Fin〜