DQ5 ビアンカSS「0回目のプロポーズ」 <妖精の城> 成人ビアンカ「ふーん…        これが見る人の心を映し出して、過去へ飛べるっていう絵ね…        ちょっと信じられないけど リュカは実際にこれを使って        ゴールドオーブをすり替えてきたんだもんね…」 成ビアンカ「私にも使えるのかな?       もし使ったら、何年前のどんな場所に行けるのかしら…       もう一度お母さんに 会えたりするのかな…」 成ビアンカ「ちょ、ちょっとだけ…ちょっとだけならいいわよね?       リュカが子ども達を 見てくれてる間だけ…」 キョロキョロ 成ビアンカ「見た目は普通の風景画なのよね。       でも不思議、見てると何だか 気持ちが落ち着いてくるわ…」 パアアァッ… 成ビアンカ「きゃっ…?!」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <サンタローズ(過去)> 成ビアンカ「う、ううん…ビックリした…何、今の光…?」 成ビアンカ「あ…ここってもしかして…」 村人「おーい、終わったらこっちさ手伝ってけれー!」 成ビアンカ「やっぱりそうだわ…サンタローズだ。       まだみんな 元気に暮らしてた頃の…」 村の女性「もうっ、おじいちゃんったら またご飯つまみ食いして!」 村の老人「じゃから ワシャ知らんというとるだろうが!」 成ビアンカ「うふふ。みんなとっても幸せそうね。       まさか こんなのどかで穏やかな村が       数年後には あんな酷いことになっちゃうなんて       誰も思わなかったでしょうね…」 成ビアンカ「でも どうしてサンタローズに?       てっきりアルカパに行けると思ったんだけど…       あ、ひょっとして私、この時サンタローズに遊びに来てたのかしら?」 タタタタッ ビアンカの母「こらービアンカ!待ちなさい!」 成ビアンカ「あ、やっぱり…!ってやば、隠れなきゃ!」 ササッ ビアンカの母「ビアンカったらどこ行くの?もうすぐお昼の時間よ?」 幼いビアンカ「リュカのとこ!」 ビアンカの母「また?!もう、あんまりしょっちゅうお邪魔したら迷惑でしょ?        リュカちゃん達だって、旅の支度とかあるんだから!」 幼ビアンカ「えーだってー、リュカ達もうすぐ行っちゃって、       またしばらく帰ってこないんでしょ?       だから今の内に いっぱい遊んどきたいの!」 ビアンカの母「まあ、その気持ちはわかるけど…」 幼ビアンカ「ねーいいでしょーママー!お昼までには帰ってくるから!」 ビアンカの母「はいはい、しょうがない子ねえ…        じゃあ、パパスさん達忙しそうだったら        邪魔しないですぐに帰ってくるのよ?」 幼ビアンカ「ありがとママ!いってきまーす!」 タタタタッ ビアンカの母「ふふっ、あの子ったら…よっぽどリュカちゃんが気に入ったのね」 スタスタ 成ビアンカ「わあ…お母さん若いなあ…       お母さんの元気そうな姿が また見れただけでも       来て良かったな…」 成ビアンカ「こんなにピンピンしてたお母さんが、       あんなに早く死んじゃうなんて…       人生って 何が起こるかわかんないものね…」 ポロッ 成ビアンカ「や、やだ私ったら…泣くことなんか無いのに…」 ゴシゴシ 成ビアンカ「そういえば私、リュカの家に行くって言ってたけど…       もしかして、小さい頃のリュカにも会えるかな?」 成ビアンカ「ま、まだ帰らなくても大丈夫よね?お、追っかけてみよう…」 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <サンタローズ・リュカの家(過去)> 成ビアンカ(あ、いたいた…) 幼ビアンカ「リューカー!いるー?!」 幼いリュカ「あ、ビアンカ!」 パタパタ 幼リュカ「今からそっちに行こうと思ってたところだったんだ」 成ビアンカ(わぁー、ちっちゃいリュカだー!!       ちょこんとしてて、まん丸くて、       目がクリクリしてて…かっ、可愛い〜!!) 幼ビアンカ「そうなの、じゃあちょうど良かったわ!       ね、お昼まで一緒に遊ばない?」 幼リュカ「うん、遊ぼ遊ぼ!お父さん、行ってきていい?」 パパス「はっはっは、勿論いいぞ。     ビアンカちゃんと一緒にいられるのももうちょっとだ、     たくさん遊んできなさい」 成ビアンカ(わ、パパスおじさん!       昔はすごくたくましい人だなあって思ってたけど       今見てもやっぱりカッコいいな…       ってやだ私ったら、何義理のお父さんにときめいてるのよ!       でも仕方無いよね、だって今のリュカに どことなく似てるんだもの…) 幼リュカ「わーい、ありがとお父さん!いこ、ビアンカ!」 幼ビアンカ「うんっ!」 タタタタッ サンチョ「すっかり仲良くなっちゃいましたねえ、あのお二人」 パパス「ああ、リュカには今まで     同い年くらいの友達がいなかったからな…     話の合う相手ができて、嬉しいんだろう」 成ビアンカ「この頃の私って リュカより二つも年上だったはずなのに、       リュカとあんまり背は変わらないのね。       なのに あんなにお姉さんぶってたんだ…       うふふ、私も可愛い所あるじゃない」 成ビアンカ「ていうか私、       昔からあんなにリュカにベッタリだったっけ?       な、何か恥ずかしいな…」 成ビアンカ「あ、それより追いかけなきゃ!見失っちゃう!」 <サンタローズ・川のほとり(過去)> 幼リュカ「あ、これこれ!この木に登ろうよ!」 幼ビアンカ「えー木登り?虫とか服についちゃいそう…」 幼リュカ「でもでも、てっぺんまで行くと      葉っぱのすっごくいい匂いがするんだよ!      ねえ、一緒に行こうよー」 幼ビアンカ「うーん、しょうがないなあ…       じゃあ、リュカが先に登ってよね」 幼リュカ「?別にいいけど…何で?」 幼ビアンカ「だ、だって今日スカートだし…」 幼リュカ「え?」 幼ビアンカ「べ、別にいいでしょ何ででも!       の、登るんなら 早く登りなさいよ!」 幼リュカ「う、うん…」 成ビアンカ(うふふ、私ったら       一丁前に色気づいちゃって、可愛いんだから…) ガサガサ 幼ビアンカ「ね、ねえ…ちょっと高すぎない?この木…」 幼リュカ「えーそんなことないよ?このくらい普通だよ?」 幼ビアンカ「リュカ…あんたって レヌール城に行ってから       随分わんぱく坊主になったわね…」 幼リュカ「えーそうかなあ?」 幼ビアンカ「まあ、男らしくなって       ちょっとステキかなーって思うけど…」 幼リュカ「え、何か言った?」 幼ビアンカ「な、何でもないわよ!それよりまだなの、一番上は?!」 幼リュカ「あ、うん。もうちょっとだよ」 ガサガサ 幼ビアンカ「はあっ、はあっ…や、やっと着いた…」 幼リュカ「ね?いい匂いするでしょ?」 幼ビアンカ「そ、そうかもね…それよりわたし 疲れちゃった…       川辺でちょっと休憩したいわ」 幼リュカ「えーもう下りるの?今来たばっかりなのに…」 幼ビアンカ「ここ、でこぼこしててお尻が痛くなるのよ!       いいから早く下りるわよ」 幼リュカ「うーん、ビアンカがそう言うなら…」 幼ビアンカ「って待ったあー!       わたしが先に下りるんだってば!!」 幼リュカ「ええー?さっきはボクに 先に行けって言ったのに…」 幼ビアンカ「下りる時はわたしが先なの!       とにかく後から来なさい、いいわね?!」 幼リュカ「わ、わかったよう…」 ガサガサ 成ビアンカ(ふふっ、なーんか懐かしいなあ…       この木、小さい時はすごくおっきいって気がしてたけど       今見るとそんなでもないのよね…) ゴロン 幼ビアンカ「はぁーもうへとへとー!」 幼リュカ「あはは、ビアンカったら あれくらいで疲れちゃったの?」 幼ビアンカ「うるさいわね!わたしはか弱い女の子なの!       もっとレディを敬いなさいよ!!」 幼リュカ「まあいいや、ボクも横になろーっと」 ゴロン 幼リュカ「はー、風が気持ちいいねー!」 幼ビアンカ「そうね…ねえリュカ、出発は明日だっけ?」 幼リュカ「うん…      次はいつ帰ってこれるか まだわかんないんだって…」 幼ビアンカ「そう…気をつけていってらっしゃいね…」 幼リュカ「うん…」 成ビアンカ(私ったら…「寂しい」ってはっきり言えばいいのに…) 幼ビアンカ「…ねえリュカ、リュカはどんな人と夫婦になりたい?」 幼リュカ「ふーふ?ふーふって何?」 幼ビアンカ「だ、だからぁ…       どんなお嫁さんが欲しいかってことよ!」 幼リュカ「お嫁さん!?えー考えたことないなあ…」 幼ビアンカ「じゃあ今考えなさい!」 幼リュカ「うーん、難しいよお…      あそうだ、お料理の上手な人がいいな!サンチョみたいに!」 幼ビアンカ「りょ、料理ね…(明日から練習しなきゃ…)       ほ、他には何かないの?」 幼リュカ「えーっとねえ…      やっぱりボクと 毎日遊んでくれる人がいいかな」 幼ビアンカ「そ、それって例えば わたしみたいな?」 幼リュカ「ビアンカ?ビアンカがお嫁さんになるってこと?」 幼ビアンカ「た、例えばの話よ!!」 成ビアンカ(ちょ、ちょっとちょっと!       私ったら 結構大胆ね…       み、見てるこっちが赤くなってきちゃった…) 幼リュカ「お嫁さん?友達じゃなくて お嫁さんになるの?」 幼ビアンカ「だ、だから例えばだってばあ!!」 幼リュカ「…やだ」 幼ビアンカ「…え?」 幼リュカ「ボクやだよ。ビアンカがお嫁さんなんてやだ」 幼ビアンカ「ど、どういうこと?       わたしのことキライになったの?!」 幼リュカ「そ、そうじゃないけど…」 幼ビアンカ「じゃあ何で?!どうしてわたしじゃダメなの?!」 幼リュカ「ダ、ダメとかじゃなくて…」 幼ビアンカ「もういいっ!!バカッ!!       リュカなんてだいっきらい!!」 タタタタッ 幼リュカ「あっ、ビアンカ!」 成ビアンカ(ええっ?!ど、どうしよう…       や、やっぱりほっとけないわ、追いかけなきゃ!) <サンタローズ・村の外れ(過去)> 幼ビアンカ「ううっ…ぐすっ…」 成ビアンカ(はあっ、はあっ…や、やっと見つけた…       私、意外と足速かったのね…) 幼ビアンカ「ぐすっ…ひっく…」 成ビアンカ(あーあ…       あんなに目が真っ赤になるまで 泣きはらしちゃって…) 幼ビアンカ「ううっ…リュカのバカ…」 成ビアンカ(リュカったら 何であんなこと言ったのかしら?       流石の私も ちょっとショックだわ…) 幼ビアンカ「チビ、どんかん、アンポンタン…」 成ビアンカ(そ、それは言いすぎ…       このままだと、リュカと気まずいまま       10年間も離れ離れってことになるのよね…       いくら何でも、それはちょっと悲しいな…) 幼ビアンカ「もう、リュカなんて知らないんだから…」 成ビアンカ(歴史を変えるのって       あんまり良くないことのような気もするけど…       でも、ここまで来て何もしないなんて 我慢できない!       ちょ、ちょっと声かけるくらいなら いいわよね?) 成ビアンカ「ごめんなさい、ちょっとここいいかしら?」 幼ビアンカ「…勝手にしなさいよ…」 成ビアンカ「ありがと、じゃ失礼するわね…」 ストン 幼ビアンカ「…何か用?てかあんた誰?」 成ビアンカ「べ、別に…       たださっきから ずっとそこでうずくまって泣いてるから       どうしたのかなって 気になっちゃって…」 幼ビアンカ「ふ、ふん!あんたに関係ないでしょ…」 成ビアンカ「それはそうだけど…       でも良かったら何があったか お姉さんに話してみない?       ちょっとは気が楽になるかもよ?」 幼ビアンカ「ふん、何がお姉さんよ…       もうおばさんって年じゃない…」 成ビアンカ(こ、このっ…!未来の自分に向かって…!) 幼ビアンカ「…ただ、友達とケンカしちゃっただけよ…」 成ビアンカ「ケンカかあ…原因は何?」 幼ビアンカ「向こうが、わたしのことキライになったみたいだから…」 成ビアンカ「その子がそう言ったの?」 幼ビアンカ「そうじゃないけど…       わたしみたいな子は、お嫁さんにしたくないって…」 成ビアンカ「ふうん…それであなたは何て?」 幼ビアンカ「…だいっきらいって言って、       そのままここまで走ってきちゃった…」 成ビアンカ「そっかあ…       ねえ、その子が何でそんなこと言ったのかはわからないけど…       あなたはこのままでいいの?」 幼ビアンカ「…何が言いたいわけ?」 成ビアンカ「言いたいことも言えないまま、       お別れしちゃっていいのかってこと。       あなたもいつかわかるよ。       誰かに伝えたいことがあっても、       その人がいなくなってからじゃ もう遅いんだって…」 幼ビアンカ「言いたいことって…わたしは別に…」 成ビアンカ「後から後悔するのは いくらでもできるわ。       でも、その子に気持ちを伝えるのは       今しかできないことじゃないかな?」 幼ビアンカ「……」 成ビアンカ「大切な人なんでしょ?あなたにとって…       だったら、ケンカしたまま離れ離れなんて 嫌じゃない?       大切な人とは、たとえお別れの時でも       最後の最後までお互いに笑顔で       さよならしたいと思わない?」 幼ビアンカ「…わたし、ちょっと行ってくる!」 成ビアンカ「ん!頑張って!」 タッタッタ 成ビアンカ「ふふっ、自分で自分にアドバイスなんて何か変な感じ…       でも、このくらいならいいよね?昔のこととはいえ、       リュカとはいつだって 仲良しでいたいもの…」 スクッ 成ビアンカ「さて!少しは素直になれたかな、あの子…       じゃなくて、私?」 <サンタローズ・川のほとり(過去)> 成ビアンカ(あ、私見っけ…あ、丁度向こうからリュカも…!) 幼リュカ「ビアンカ!ここにいたんだ!」 幼ビアンカ「あ…リュカ…」 幼リュカ「おうちにもいなかったから、ずっと探してたんだよー」 幼ビアンカ「そ、そうなんだ…       あの、リュカ…そ、その…」 幼リュカ「?どうしたの、ビアンカ?」 成ビアンカ(頑張れ…頑張れ私!) 幼ビアンカ「さ…さっきはごめんなさい!」 ペコッ 幼リュカ「え、えっ?」 幼ビアンカ「ごめんなさい…       だいっきらいだなんて、酷いこと言っちゃって…       本当は、あんなこと全然思ってないの…       リュカに言われたことがショックで       つい口から出ちゃっただけなの…」 幼リュカ「そっかー良かった!      本当にビアンカに 嫌われちゃったかと思ったよ」 幼ビアンカ「本当…これっぽっちも思ってないから…」 幼リュカ「でも、ボクの方こそごめんね。      お嫁さんにしたくないなんて言って」 幼ビアンカ「ううん…リュカがそう思うんなら…」 幼リュカ「ボク、お嫁さんと友達って 別々のものだと思ってたんだ」 幼ビアンカ「……へ?」 成ビアンカ(……へ?) 幼リュカ「お嫁さんにしちゃったら、      もうビアンカとは 友達じゃなくなると思って…      ビアンカとはずっと友達でいたかったから…      でもさっきサンチョに聞いたんだけど、      ふーふになっても 友達のままでいていいんだってね!」 幼ビアンカ「ふふふ…あ、あははははは!う、ううっ…」 幼リュカ「ビ、ビアンカ?大丈夫?」 幼ビアンカ「ぐ、ぐすっ…       もうっ、そういうことだったの?!       あんたってほんっとバカなんだからぁ!あはははは!」 幼リュカ「ビ、ビアンカ…泣いてるの、笑ってるの?」 幼ビアンカ「ふふっ、でも安心したわ…       さっき怒ってたのがバカみたい…」 成ビアンカ(なーんだ、そういう理由だったんだ…       でも、ちょっとリュカらしいかも…) 幼リュカ「でさ、ふーふっていうのは、嬉しい時も悲しい時も      ずっと一緒にいてくれる人のことなんだって!」 幼ビアンカ「ま、まあ…その通りね…」 幼リュカ「だったらボク、ビアンカとふーふがいいよ!」 幼ビアンカ「(ドキッ)え、えっ?」 幼リュカ「ボク、ビアンカとふーふになりたい!      ビアンカと ずっと一緒にいたいもん!」 成ビアンカ(リュ、リュカったら、こんな所であんな大きな声で…!) 幼ビアンカ「ほ、本気で言ってるの?」 幼リュカ「うん!ビアンカ、ボクのお嫁さんになってよ!」 幼ビアンカ「ほ、本当に?       わたしが大きくなったら、お嫁さんにしてくれる?」 幼リュカ「うん、勿論だよ!」 幼ビアンカ「絶対よ?他の女のところになんて 行ったらダメだからね?」 幼リュカ「うん!ビアンカも、他の人のお嫁さんにならないでよ?」 幼ビアンカ「じゃあ、約束よ…」 スッ 幼ビアンカ「今よりずっとキレイで、       ステキな大人のオンナになってるから…       必ず迎えに来てよね」 幼リュカ「うん、約束!」 2人「ゆーびきーりげーんまん、    うーそつーいたーら はーりせーんぼーんのーます!ゆーびきった!」 幼ビアンカ「ふふっ…これで、リュカはわたしのフィアンセね」 幼リュカ「ふぃあんせ?何それ?」 幼ビアンカ「結婚を約束した人のことよ」 幼リュカ「ふーん、ビアンカって物知りだねえ…      あそうだ、早く帰らなきゃ!      お父さん達心配してるよ!」 幼ビアンカ「いっけない、お昼までに帰るって約束だったのに!       ママ、きっとカンカンだわ…早く帰ろ!」 タッタッタ 成ビアンカ(ふう…何とか仲直りできたみたいで、一安心ね…       ていうか、こんなことあったかしら?!       こんな小さい頃に、プ、プロポーズされてたなんて…) 成ビアンカ「あ…何か、急に目の前がぼやけて…」 パアアァッ… 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 <妖精の城> 成人リュカ「ビアンカ?ビアンカ!」 成ビアンカ「ん…ううん…」 成リュカ「ビアンカ、気がついたかい?!」 成ビアンカ「あ…リュカ…」 成リュカ「心配したんだよ。      城の中を見物してるって言ったのに      どこにもいないから、子ども達と手分けして探して…      やっと見つけたと思ったら      今度は倒れたまま気を失ってて 全然目を覚まさないし…」 成ビアンカ「ご、ごめんなさい、心配かけて…       そっか 私戻ってきたのね…」 成リュカ「戻って…ってビアンカ、君もしかして…」 成ビアンカ「うん、ちょっとあの絵を使ってみてたの…       本当に過去へ行けるのか 試してみたくて…」 成リュカ「そっか…で、どうだった時間旅行は?」 成ビアンカ「ん…とってもステキな旅だったわ…       ねえリュカ、覚えてる?       小さい頃、私にプロポーズしてくれた時のこと…」 成リュカ「うーん…ビアンカと会った時、僕6歳くらいだったからね…      まあ、そんなことあったかもしれないなあ…」 成ビアンカ「やっぱり覚えてないか…       無理ないわよね、私だってついさっきまで忘れてたんだもの…       じゃあ、その時のプロポーズの言葉なんて 当然忘れてるわよね?」 成リュカ「えーと…      『ずっと一緒にいてほしい』みたいな感じかな」 成ビアンカ「えっ!?覚えてないんじゃなかったの?!」 成リュカ「覚えてはいないけど…      僕だったら多分そう言ったと思うから。      ビアンカと出会ってから今日まで、      片時も薄れたことの無い 僕の正直な気持ちだからね」 成ビアンカ「リュカったら…ねえそれじゃあ、もし生まれ変わっても       また私をもらってくれる?」 成リュカ「当たり前だよ。      何度生まれ変わったとしても、      ビアンカ以外の人と結婚するなんて 考えられないよ」 成ビアンカ「もし二人とも遠く離れた場所に住んでて、       子どもの頃にも出会えなかったとしたら?」 成リュカ「世界の果てまでだって行って、君を見つけてみせる。      僕達は魔界を敵に回してまで 一緒になった夫婦なんだよ。      どんな運命にだって 打ち勝ってみせるさ」 成ビアンカ「嬉しい…私も、何度人生をやり直したとしても       リュカに側にいて欲しいな…」 成リュカ「ああ…ずっと離さないよ、ビアンカ」 成ビアンカ「リュカ…愛してるわ…」 〜Fin〜